カゴヤサーバーは法事向けサーバーとして展開してきた為、法人利用率は80%と企業信頼の厚いサービスです。稼働歴で見ると1998年リリースなのでかなり老舗です。ただ、個人向けサーバーとしてはまだ歴史が浅いという側面も。
この記事ではカゴヤサーバーの評判(メリット・デメリット)、料金、使い勝手について紹介。さらにWordPress専用サーバーと共用サーバーの違いについて解説していきます。
カゴヤサーバーの評価とプラン比較
共用サーバーとWordPress専用サーバーがある
コーポレートサイトやブログ/メディアサイトを作りたいという人に向けて説明すると、カゴヤサーバーは共用サーバーとWordPress専用サーバーの2種類で展開されています。共用サーバーはホームページやキャンペーンページを作成する時などサイトが中規模以上になる場合におすすめです。
一方でWordPress専用はワードプレスが契約時からインストールされた状態から始まるため、ブログを始めたい方などにおすすめ。しかし、サイトが大きくなると対応しきれなくなるので1サイトのみ運用に限ります。
カゴヤサーバーの共有とWordPress専用を比較
共用 | WordPress専用 | |
---|---|---|
料金 | 880円〜 | 440円〜 |
DB | 無制限 | 1契約1つ |
メール | 利用可※ | 不可 |
PHP | 8.0まで利用可 | 7.4系まで利用可 |
転送量 | 120G〜 | 無制限 |
ざっくり比較するとミニマム料金はWordPress専用の方が遥かに安いことが分かります。しかし、WordPress専用サーバーはデータベースの個数が1契約につき1つになるので、ワードプレスを複数インストールしたい場合に別に契約する必要があるなど面倒事やランニングコストの増加が見込まれます。また、メールも利用できないというデメリットも持ちます。
一方で共用サーバーはミニマムプランはメール利用ができないものの、S22という標準プラン(月額1760円〜)ではメール利用が可能です。WordPress専用サーバーと違ってDB数も無制限なので、複数のサイト管理なども可能。
企業としてコーポレートサイトを作る際は採用特設サイトを別途作成したり、オウンドメディアなどを作成することもあると思いますので、共用サーバーS22プランから始めるのが無難と言えます。
カゴヤサーバーは安く見えて安くない
カゴヤ共用S12 メール不要 | ロリポップ ハイスピード | さくら スタンダード | |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額料金 | 880円※ | 550円 | 524円 |
年間料金 | 9,680円 | 6,600円 | 6,288円 |
容量 | 100GB | 350GB | 300GB |
独自SSL | あり | あり | あり |
メール機能 | なし | あり | あり |
バックアップ | 10G/0円 | 330円 | 0円 |
月額使用料金で見ると880円から利用できるため、かなり安めのサーバーに見えることでしょう。しかし、コーポレートサイトを立ち上げる目的として選ぶには「メールが使えない」というのは致命的です。メールを利用したい場合はS12よりもランクの高いS22を利用する必要があります。
カゴヤ共用S22 コスパ最強? | ロリポップ ハイスピード | さくら スタンダード | |
---|---|---|---|
初期費用 | 3,300円 | 0円 | 0円 |
月額料金 | 1,760円※ | 550円 | 524円 |
年間料金 | 19,360円 | 6,600円 | 6,288円 |
容量 | 200GB | 350GB | 300GB |
独自SSL | あり | あり | あり |
バックアップ | 10G/0円 | 330円 | 0円 |
S22プランはカゴヤサーバーの中ではコスパ最強らしいです。他サーバーと比べるとコスパ最強ではありません。料金比較するとやや高めの印象を受けます。サイト表示速度の速さや安定性なども考慮すると、ロリポップサーバーやエックスサーバーの方がコスパが良いことが分かります。
カゴヤサーバーを選ぶメリット
ドメインの取得が1つ無料
ささやかなサービスと言っても良いでしょうか。カゴヤサーバーを利用する際には契約月の翌月末までにドメインを1つ無料で取得することができます。.kyoto以外の物が取得できるようなので、数千円のコストを抑えることができます。
ただし、ドメインの更新料は別途かかる点については念頭に置いておく必要があります。個人での管理ではなく、カゴヤ管理となるため、自動更新で更新漏れリスクがありません。しかし、その分更新費は個人で管理するよりもやや高めの料金になります。(更新費は. kyoto以外5,500円)
業種特化型テンプレHPを作れるサービスを展開
カゴヤは業種ごとのホームページに使えるワードプレステーマも販売しています。ワードプレステーマは別サーバーでも利用は可能ですが、カゴヤ発のテーマになるため、カゴヤサーバーで使うのが一番リスクが低いと言えます。
また、半年間毎にサイトサポートを13,200円でつけることができます。つまり、企業としてサーバー管理及びサイト準備、管理まで一貫して任せることができるのでWEB担当者がいない会社には非常に有用なサービスです。
データ移行が1万円でできる
古いサーバーから乗り換える際に課題になるのが「データ移行」になります。ご自身でできない場合は、業務委託する必要があり、WEB制作会社などに依頼しても料金はピンキリ。かつ制作は得意でもデータ移行は苦手といった所は多いです。
そんな中でカゴヤサーバーでは「サーバー乗り換え安心おまかせパック」を展開。データベース、メール設定まで行って1万円という驚異的な安さで対応してくれます。悩みながら無駄に時間を浪費するより頼んだ方がタイムパフォーマンスが良いです。
WordPress専用サーバーはKUSANAGIで高速化
KUSANAGIとは、PHPやMySQL、WordPressの処理を最適化する技術のこと。それぞれの項目で最適化されているため、高速化されていない環境と比べると15倍ほどの速度アップが見込めるというもの。アクセスが集中しても落ちない、処理速度が速いことで支持されています。
ただ、この技術は共用サーバーには適用されておらず、WordPress専用サーバーのみとなっています。(2022年5月現在)
WordPress専用サーバーは最初からインストール済み
WordPress専用サーバーは登録した段階から管理画面を与えられる仕様になっているため、自身でワードプレスのインストール作業を挟まなくて良い。ワードプレスの簡単インストールはそこまでハードルは高くないが、ブログを始めてみたいというWEB初心者の人には嬉しいサービス。
カゴヤサーバーのデメリット・おすすめでない点
他サーバーと比べると割高な印象
Xサーバーと比べてみた
コスパ最強とされる カゴヤ S22 | エックスサーバー スタンダード | |
---|---|---|
料金 | 1,760円〜 | 1,100円〜 |
DB | 無制限 | 無制限 |
ディスク容量 | 200GB | 300GB |
転送量 | 160G〜/日 | 無制限 |
PHP | 8.0まで利用可 | 8.0まで利用可 |
KUSANAGI | あり | あり |
ドメイン取得1回 (2回目以降) | 無料(5,500円〜) | 1円(950円〜) |
ドメイン更新費 | 5,500円〜 | 1,298円〜 |
スペックと料金をシェア率No1サーバーのXサーバーと比べるとどうしても見劣りしてしまう。サーバーの安定性もあり、表示速度も優れている点も踏まえると料金比較がネックとなる。
実際の使用サイトの公開実績が少ない
カゴヤサーバーとの取引先として様々な企業がいる点は公式サイトから見ることができます。しかし、実際に共用サーバーやWordPress専用サーバーを使用しているサイトを見つけるは容易ではありません。
ホームページに掲載されている企業のコーポレートサイトを見るとAmazonのAWSが使用されていたりなど実態が掴みづらいのが正直なところ。それに比べて、Xサーバー、ロリポップ、ConoHa、さくらサーバーなどは普及率が高く、使用しているユーザーを見つけるのも容易で検討しやすいです。
PageSpeed Insightsのスコア上昇は不明瞭
どのサーバーも共通して言えることですが、サイトのボリュームによってサイト表示速度は変動します。そのため、変えたからといって絶対にスコアが上がるとは言い切れないのが現実です。
カゴヤサーバーでは自社内のサーバーの新旧比較をした結果、ページスピードインサイトのスコアがアップした結果を開示していますが、開示しているドメインのサイトを私たちが見ることはできません。実際に今、その参考サイト(example.kagoya.jp)がどれだけのサイト表示速度パフォーマンスか分かりかねるので一概に信じるべきではありません。
独自に使用しているサイトのパフォーマンスを調べてみた
独自にブロガーや企業サイトでカゴヤサーバーを使っているサイトを調べ、ページスピードインサイトで採点した結果を平均化した結果になります。(サイト毎の使用サーバーは誰でも簡単に調べることができます。)
表示速度は小規模〜大規模サイト及び、ブログ・コーポーレートサイトの組み合わせで複数サイトを計測。pagespeedinsightの点数を平均で出したものになります。計測時間帯、計測日は他社サーバー含めて全て同一です。
WordPress専用サーバーは複数インストールできない
1契約につき1つのデータベースとなるため、複数サイトを運用したい方には向いていない。近年のSEO対策では1つのドメインの傘下に他ジャンルサイトを作り込んでいく手法もメジャーになりつつある。そのため、1つの特化サイトの運用となると厳しい物がある。戦略を広げる機会を失うことになる点は留意したい。
WordPress専用サーバーは.htaccessが使えない
WordPress専用サーバーのWebサーバーはnginxであるため、「.htaccess」が使用できないとのこと。実はWordPress専用サーバーのページには記載がないのですが、サポートセンターページには記述があるのです…。(2022年5月時点)
「.htaccess」が使えないとサイトの引越しやページの差し替えといった場面で既存ページから新しいページにユーザーを移行できないばかりか、「.htaccess」によってSEO評価を移さなければならない場面にも対応できないです。
カゴヤサーバーを利用した人の反応
カゴヤサーバーの総合評価
カゴヤサーバーは突出して良い部分がなく、これといった決め手にかけるサービスと言わざるを得ません。唯一WordPress専用サーバーが格安で利用でき、さらにKUSANAGIを体感できるのはメリットと言えますが、サイト運用が一つしかできない点や.htaccessでコントロールができない点を踏まえるとアフィリエイターでも本当に初心者くらいしか使えない印象を受けます。
同価格帯、さらに低コストのサーバーで良いサーバーはいくつかあるので以下を参考にご覧ください。
同価格帯ならXサーバー
先述してチラチラと紹介に出したXサーバー。稼働は古く老舗に分類される知名度も利用ユーザー数も圧倒的なレンタルサーバーです。
1位エックスサーバー、2位ロリポップ、3位さくらのレンタルサーバー
日本ウェブホスティングのマーケットシェア
2022年時点の日本シェアではNo1にエックスサーバーが来るほど。1000円ほどで安定的なパフォーマンス、サイト表示速度を発揮できるのでコスパに優れています。エックスサーバーにして損をした声は聞きませんが、エックスサーバーにしておけばよかったという後悔の声はよく聞きます。
Xからの新サービスもおすすめ
エックスサーバーのサーバーベースにKUSANAGIを取り入れさらに高速化を目指す新サービスの「シン・レンタルサーバー」。こちらは新しい技術をガンガン入れていく方針になるため、安定性に欠ける可能性が。現在のSEOは流行最先端にいるものが勝つ時代。安定よりも革新を!に共感できる人はこちらがおすすめ。
安さ重視ならロリポップ!
ロリポップ!サーバーも2022年国内シェア率がNo2と実績のあるレンタルサーバー。リリースも古く老舗サーバーに並びます。古くからあることを感じさせないアップデートを繰り返し、サイト表示速度も十分。
さらに価格は500円台と業界最安レベルで、まさにコスパ最強と言えるサーバーです。Xサーバーと同様に利用者が多いため、サーバー設定のトラブルなどのノウハウや備忘録がWEB上に溢れているのも推せるポイント。安かろう悪かろうではなく、高品質・超低価格を実現しているのでランニングコストを抑えたい人にはうってつけです。